狂技エアロの女・NO7
(2010.10.13)

ジャンク

清水香織との出会い・・・・

正木は仕事で、ある専門学校にいた、今度新しく建物を増改築するにあたって
あらたに生徒募集の広告と経営戦略について、総合的な話し合いをしていた。

正木は外部の業者で、ここの専門学校の事務機から広告関連まで引き受け
ていた。

ここの専門学校はスポーツを中心としたレジャー施設を全国規模で展開経営している。最近は学習塾までに手を伸ばし、経営不振な塾を買収グループ化して業績はうなぎ登りだ。

正木は打ち合わせを終え、学生で混雑したロビーでコーヒーを飲んでいた。普段なら
さっさとかえるのだが、その後の予定が先方の都合でキャンセルになり、
少しゆっくりしていた。

するとそこに突然、
「正木さんじゃない」と聞き慣れた声が・・
振り返ると、そこに立っていたのは、清水香織だった。

彼女はレッスンのイントラの時とは違って眼鏡をかけて、髪は後ろに縛り、少し地味だった。
しかしタートなグレーの短めのスカートに清潔感のある薄黄色のシャツはボタンがめくれ、品のあるセクシーさをかもしだしていた。

正木は驚いてどうしてここにいるのかと聞くと、

「私ここの専門学校で週三回、講師としてスポーツ力学を教えているのよ」とサラッと清水香織は言った。
そしてすぐに、ここの学校の隣のビルの下に美味しいパスタ屋が出来た事を話され、すぐさま正木をを誘った。
正木は違った一面の清水香織の姿を見たせいか、勢い余って思わず了解をした。

正木は会社に帰り二時間後、

その店に2人は入った、店は、意外にも狭く四角い木のテーブル席が3つに
カウンター席だけだった。 テーブルにはステンドグラスで作られた入れ物に
ロウソクの炎が揺れて、照明もそれに合わせて薄暗く、
店内は静かにボサノバが流れている。

南国風の壁は白一色、天井は洞窟のような感じで丸くごつごつした
作りになっていた。
2人は案内されテーブル席に座り、単品のピザ一人前と、本日おすすめのパスタを中心としたコースを頼のみ。それとスペイン産のビールで乾杯した。

清水香織の学歴は優秀だった。高校も大学も一流と言われてるところを出ていて
彼女が専門学校の講師やイントラをやっているにはちょっと不似合な学歴ではあった。


しかしその頭角はすでに今の学校のグループ経営者の目に止まったようだ、彼女は来年オープンする大型レジャー施設でのスパやプールの統括マネージャーに抜擢が決まっていて、
来週その宣伝も兼ねて地元テレビ局の取材の為TV生出演する、
更に、レジャー施設のTVCMにも水着姿で出る。
その為彼女は多忙を極め今はレッスンを週4本しか持っていない。

そんな彼女からの食事の誘いは名誉な事だ、しかし正木はそれを口に出さなかった。

正木は普段からこの清水香織って女はどこか冷静で、寂しいさを感じさせるものを感じていた。今のその仕事も、それほど情熱を持ってやっているとは正木には映っていなかった。

もし彼女と付き合ったりしたら、清水香織は家庭も仕事も全部捨て飛び込んで来るような
気がしてならなかった。
そんな覚悟は今の正木にはない。

あれから一時間ほどして、店内はほぼ満席になっていた。

2人は店を出て、タクシー乗り場まで歩いた。
清水香織は酔ってるのか、ふりなのか、正木の片方のポケットに手を入れてきて
自分の手が冷たいことを理由にしながら、俺の手を握りしめた。

その時、わずか3メートル先で、喧嘩が始まった。
仲間同士の喧嘩のように見えた。

喧嘩はすぐにやんだが、そこを通りすがった瞬間、そこの1人が何見てんだ!
と因縁をつけ、いきなり正木を突き飛ばした。
一瞬うずくまった正木に、そこにいた仲間たちは止めに入はいった
どうやら喧嘩は仲間のこの1人の男だけが暴れてるようだった。
そしてすぐに違う1人の20代前半の学生らしき男が正木のとこのろに駆け寄って
大丈夫ですか!申し訳ありませんと謝った。

正木は立ち上がって、その男に気をつけてくれよと言って、清水香織の手を握って立ち去ろうとした、
その瞬間、清水香織はその男のほほを平手打ちした!今警察呼んだからと言って
清水香織は正木の服のクリーニング代から治療費まで請求出すから、身分証明を
みせろとまで言い出した。
その男は、おもむろに慌てながらも財布から3千円を取り出して、これしかありませんと言って
彼女に無理矢理つかまし、仲間と引き上げた。

清水香織は「大丈夫だった?」と正木に言って、その3千円を俺の内ポケットに入れて

また俺の腕をつかみながら歩き出しタクシーに乗った。

もちろん警察など呼んでいない、
「これって恐喝じゃないか?」
正木はタクシーのなかで言った。
彼女は酔ってるのか、ニッコと笑みを浮かべて何も喋らず俺から離れなかった。

その後彼女と何度かあのパスタ店で
食事を重ねる事になる。


1ヶ月後・・・
正木は清水香織の部屋にいた。
理由は
今日が彼女の誕生日で、プレゼントもいらないから
部屋で祝って欲しいとお願いされた。
もちろん2人きりではない。
ここには、彼女の親しい仲間が俺の他に6人ほど集まっていた。
中には歯科医もいた。

誕生会では斉藤の親しい仲間内では初顔の正木が紹介されその後、話題の餌にされた。

「香織、早くあの馬鹿旦那と別れて、この人と結婚すればいいのに」とか、
「香織に興味あるんでしょ?それとも男が好き?もしかしてホモ!?」
など正木の冷やかしの話しで盛り上がった。

食事は先ほどからキッチンでプロの調理人が腕を振るってる。
この日の為に、デリバリー調理師を呼んでいた。
キッチンもそれなりに完備されていて、

リビングでは、先に出てきてる、パンやサラダ、フルーツですでにワイン4本目に
突入していた。
そしてコースのメインの和牛ステーキの後、部屋がいきなり暗くなって
四角い手作りのケーキがロウソクをともに調理師が運んできた。
すると先ほどの歯科医が、上半身裸でもう1人の友人がそのローソクを取って
歯科医の体にたらし、ベルトで体を軽くたたきSMちっくな演出をかもしだし、
香織ちゃんお誕生日おめでとうと言って爆笑をとった。

ローソクの火を消し去ると清水香織は泣いていた・・・

その涙はこの誕生会のうれしさもあったが、今までの自分の過去を思い出していたのだ。

そのため少し崩れるように彼女は泣いた。

清水香織は、2人兄妹で5つ上の兄貴がいる。
父は不動産業を手がけ、経済的にはなに一つ困ることはなかった。
しかし会社を一代で築き上げた父はそうとう厳格で堅物な人間だった。

香織の兄貴は父の薦められた大学受験に失敗し自殺する。
その後香織はそこの大学に現役で合格する。

その一家はその厳格な父に母でさえNOっと言った事がない。
彼女が中学の時、父に裸にされ正座させらたまま殴られた時も
誰も助ける者はいなかった。
鼻血がたれ落ちても拭く事さえも許されなかった。

自分が欲しいと思ったものなど何一つ身につけた事などない。

そして大学を卒業後、結婚相手まで、香織の父は決めていた。
香織と13も年上の、父の会社の取引先の役員だった。

流石にそれには香織は拒絶したが、無理矢理犯され妊娠する。
それで籍を入れることになる。
しかも香織にとってそれが初めての男だった。

それでも彼女はわずかな幸せを結婚にいだきたかった。
それは結婚によって初めて自分の人生において自由を味わえる事が出来るかも
しれないと言う望みからだった。
けして贅沢を望んでいるわけではない、ほんの少しだけでも普通の人間らしい生活を
してみたかったに違いない。

香織は一生懸命旦那に尽くした。子供の面倒も見た、
はじめはそれでよかった、しかし1年もしなうちに、旦那は毎晩酒を飲んでは
香織に暴力を振るうようになる。
そして自分の父の悪口まで言われる。

その後、彼女自身もう完全に耐えられなくなるのは時間の問題だった。
2年後ついに彼女は家族もすべて投げ出す。

今清水香織は初めて社会にでて、自分の能力を徐々に発揮しながら
やっと自由を手にいれ、現在に至ってるのだ。

正木はこの話しを、みんなが帰った2人きりのソファーで聞かされた。
正木はこの日初めて彼女を抱いた。

その後お互い多忙ながらも清水香織と正木の関係は上手くいく。


しかし終わったかに見えた彼女の悲劇もこれで終わっていなかった。


続く・・・・・

NO6に戻る  NO8へ   みんなの物語トップへ

ホームページトップへ


サイト内検索

検索のヘルプ