|
ジャンク 今スタジオの隅で、斉藤静江は地元で開催されるローカルな大会のメンバーの参加の確認と ここの教室の15周年パーティーの企画に先生と念密に打ち合わせをしていた。 今年は15周年って事もあってゲストを含めて、豪華にホテルで恒例の演技発表会も 行われる予定になっていた。 ここの教室の行事連絡などはすべて斉藤静江からくる。 斉藤静江よりも年長者や長く居る人はいるのだが、先生との絆が一番強いのか 練習にしても、大会にしても場所取りから、月謝の管理まで彼女が仕切っていた。 斉藤静江は未婚で、 3年前に年下の彼がいたが、今はフリーだ。そして悲しい過去を持つ、 彼女は両親がいない、父親は結婚してすぐに離婚、幼く彼女を産んだ母親は、静江が3才の時に住んでるマンションの屋上から命を絶つ。 遺書はなかった、今も原因は不明らしい。 そのため静江は母方の両親に育てられた。 しかし彼女の振る舞いや、言葉使いからは、とても苦労して育った貧乏臭さは微塵も感じない、むしろその逆でセレブで、教養のあるお嬢様育ちの様な品のある輝きをましていた。 それもそのはずで、育ての母方の両親の父は地元市議会議員を3期当選を果たし 多くの土地や持ちマンション経営、不動産管理を営む地元じゃ有名な大金持ちなのだ。 しかし、土地の売買で右翼との関係も囁かれ、4期目からは落選している。 そして15周年パーティーも無事に終え、このパーティーの成功の影には斉藤静江の功績は大きい。 そして新しい年を迎えた。 その後俺はいつのまにか斉藤静江と急接近していた。 それはけして男と女の間柄ではなく、打ち上げの時の美味しいお店探しや、 オリジナルのTシャツの製作とか、教室の雑用的なことでだ。 斉藤静江も正木に彼女がいるのを知っていた、なにせここは生徒数も多いが 男性は圧倒的に少ないこともあって、男の意見や荷物運びなど重宝していたに違いない。 逆に練習や動きについては不思議と彼女からアドバスや教えてくれることはほとんどなかった。 斉藤静江は打ち上げの下見に行ったお店や、帰り飲んだ飲食代、タクシー代を 全部自腹で払て正木は一度も出したことがない。 正木が支払うと言ってもかたくなに受け取らなかった。 次第に雑用以外で、斉藤静江と飲みに行ったりする回数は増えていった、しかし男と女の関係になることはなかったし、お互いそんな感じではない。正木は斉藤がお金にいとめもつけず豪華な飲食が時折楽しみになっていたし、彼女もストレスの発散の場でもあったに違いない。 彼女は月10万ほどこの正木との飲食代に費やしていた。 正木はこの斉藤静江との一時に久々にホストクラブに勤めていた時を思い出していた。 といっても使わせていたお金は桁が違っていたが、 1人の女に月100万200万を使わす精神状態を保つ大変さを考えたら 何もノルマなし利害関係なしの斉藤静江の月10万程の飲食は楽で楽しかった。 正木がホストを始めたのが24の時だ、 バブルもはじけていたが、正木は店での成績は悪くなかった。 常に上位にくい込んでいた。 27の時かなり太い客がつく。 その客は田舎町から県をまたいで、月4.5回程飛行機でわざわざ店に来ていた。 年齢は40ほどで家庭の事情は今だわからない。何をやってるのさえ。 しかしそのお金の使い方は凄い、ホストクラブは基本的に安くおさえるなら3万位で飲める。しかしその客は一本60万円もする ボトルを3本入れて、お会計230万!一晩で使う。 また違う月には東京に。そして新宿に行ってホストクラブに正木も連れて行く。 そこでも彼女の豪快なパフォーマンスで店は彼女一色に染まる。 しかしこれは正木に見せつけるためでもあるのだ、それは私(客)はいくらでも他に行くところがあると言う事である、それを考えたら正木を連れて来ている意味は今この店で指名されてるホストにも同じサインを投げかけられているのだ。 他店のホスト同士にまで火花を散らせ競争をあおる事でより質の高いサービスを求める。 更に競争はここで終わらない、次は新宿2丁目で オカマとも競わされるのだ、しかしここでオカマを侮ったらいけない。 ジュリアって店はマンションの2LDKの一室で暗い狭いお粗末な部屋にも関わらず、芸能人御用達のお店。 そのママの話術は流石で、まず人を飽きさせない正木の客は腹を抱えて涙目で 笑い放しだ、更にここの売りは話術より歌なのだ、実はここのママは今でも現役のシャンソン歌手、月に2回は四谷のステージで歌っている。 ここでの支払いはホストクラブから比べたらたいした金額ではないが、 正木の客はここのママに先月180万の着物をプレゼントしている。 このレベルの客になると若い客にちやほやされ、朝までぎゃ〜ぎゃ〜騒いでるホストでは対応は出来ない。もはや自分の時間などない、 お金の使うタイミングと彼女の行動パターンを読んで気分を損ねないようにスピーディーに先手を打たないと二度と客は戻ってこない。 正木が、斉藤静江が気分良く使う10万程の飲食費を、さりげなく簡単に受け入れるのはそう言ったホストと言う過去を持った経歴が正木にはあったからであろう。 それから2ヶ月が経ち・・・・ 正木はファミレスで、彼女である長谷部良子と食事をしていた、 彼女はセットメニューでは必ずライス大盛りである。 そしてここには食事で来ているがそれがメインで来ているのではない、 良子が正木に大切な話があると言うのだ。 正木はよぎったその話とは・・・もしかして妊娠か? 正木は良子が心の底から好きだったし、もし結婚したいって話だったら、 正木は受け入れる準備は十分出来ていた。 その為か正木は少し落ち着かなかった。数分後コーヒーカップを置いて彼女は 「ね〜聞いて」と切り出した。 しかし、その良子から飛び出した言葉は・・・・・!! あのコンプレックスをいだいていた自分の小さな胸の話ではないか! 続く・・・・・ |
NO3に戻る
NO5へ
みんなの物語トップへ
ホームページトップへ