狂技エアロの女・NO9
(2010.10.13)

ジャンク

正木は
気持ちは不安だらけである。結局長谷場良子の整形を阻止することは出来なかった。
正木の中では長谷部良子と結婚も考えていただけに、自分の未来のお嫁さんが整形するとは想定外だ。

それと正木は今もう一つ違う事を考えていた、最近うちの競技教室の
生徒数が減っているのだ。
こないだも、うちで唯一男性で全国大会で上位に入賞した、
香取裕太が辞めた。
彼は最近出来た新しい競技教室に移った。

車は美容整形の前に着いた。
5分ほど待つと、入口から出てきた長谷部良子は険し顔をして車に乗った。
「どうだった?」と聞くと、

とにかく胸が痛いらしく、その表情からは今は何も話しかけないで!
みたいな雰囲気が漂い静かに、
彼女を家に送り、「良くなったら電話する」とあっjけなく言われ、
その日はオッパイを見ることは出来なかった。

次の日の日曜日競技教室・・・
その後、斉藤静江とはあまり会話がない、貸した100万円の返済日は
後3週間。、その間、後10日後に、大会が迫っていた。
正木はデビュー戦でもあるためかなり練習はしていた。

更に先生も正木に随分目をかけてくれるようになったせいか、苦しい練習でも
頑張れた。

正木は先月行われたサバイバルエアロではセカンドの複雑なコリオで撃沈していた。

サバイバルの為の特別な練習はここではしない、受付に申し込み用紙が置いてあって、どうぞみなさん勝手に申し込んで下さいと言った感じだ。

その為正木は、自分のFCの仲間とサバイバルエアロビクスに参加した。
ただ今回はうちの先生がファイナルのリードをすることもあって、いつもより話題にのぼっていた。
更に言えば、ここには賞金を狙える腕前のアマチュア、プロがいるため
口には出さないが、密かに闘志がみなぎってる。

今回も、うちからプロ、アマ合わせて3人が3位内に入り、賞金をかっさらって行った。

賞金を狙う言い方はあまりいいとは言えないが、
一日だけの極めて過酷なこの大会、競技選手にしてみたら、体の疲労や怪我などリスクも高い。したがってもらえる物はもらうと言った感じだ。

サバイバルエアロビクスは競技をやっていても勝てる訳ではないが、
上位3位以内にプロ、アマで競技をやった事が無い人が入ったのを見たことがない。

しかしこのサバイバルはリードのイントラも審査員も競技の出身者ばかりではない、そのため参加者は競技者じゃなくてもエアロ一般愛好家で大いに盛り上がるのがこの大会の特徴だ。
むしろこの一般愛好家達の方がルールや大会の仕組みに詳しく、独自に練習を重ね、常に競技者達を脅かす存在になっている。

それにサバイバルエアロって言うのは、誰もが参加出来る大会として大きくフットネス業界に貢献している事は間違いない。
それを競技関係者は大いに認め、もっともっと歓迎すべきだと正木は考えていた。

正木の通ってるここでの練習内容は、
練習時の半分近くを、体をほぐしたり、ストレッチ、筋トレをする。
じっくり体があったまった頃に、基本的な動きの練習をし、
更に、高度な技に入る時もあるが、そこではあまり無理はさせない、怪我が怖いし、
そこからは更に上のクラスもあるからだ。

要は基本的な動きを常に安定して保つ事が出来るかだ。
腕の方向が変わったら、いきなりVステップが乱れたりとか、
よく腕が付くと足が乱れる事が多い。
また右足はタイミングよく開けるが、反対の足は開くタイミングが遅いとか、
そのわずかなズレを無くす事が主な練習なのだ。

練習はこんな感じで行われる。
例えば、ある人は首を長くすることで姿勢が良くなる人もいるし、
正木の場合は目線を上げる事と胸を出せば姿勢がよくなる。
この個々の違いを見抜き適切にアドバイスする事が指導のポイントだ!
つまり何か特別な秘策事を習って教わっているわけではない。

この地味な作業を繰り返し練習することで、どんな激し振りでも常に安定した動作で振りを行えるようになる。
その動作の為の筋トレでありストレッチなのだから、練習時の半分を
それに費やすのはむしろ当たり前となる。

そしてそれをもってFCでエアロレッスンに望むなら、動の正確さや美しさは、そこのベテラン会員の比ではなくなるのは当然と言えよう。

しかし、よくステップでつま先から入るとか踵から入るで、物議を醸し出すが、難しい事はない。
競技は基本がベースといっても美しく見せる事が前提のため、
つま先から入るだけの事。
フットネスの場合は安全が最優先のため踵から入る。
それだけの違いだ。
いずれも基本の動作が出来ていなければ
つま先だろうと、踵だろうとそれはおかしな動きになる。

又、長谷部良子のようなタイプのイントラは、目立つ位置で競技的に踊る人を嫌う。
それは動きが違っていたり、オリジナルなターンやジャンプなど、それを誰かが真似したりして、みんなの安全を確保出来なくなる上に、気の強い彼女はなにより自分のレッスンのリズムを乱す行為として嫌がる。

10日後、
長谷部良子からだいぶ胸の具合が良くなったと連絡があった!

続く・・・

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